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竹田市にある自然と最先端のデジタルを融合させ新しい未来を想像する

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大分駅から車で約1時間の場所にある竹田市。九州の真ん中に位置し、“九州のへそ”ともいわれているこの場所で、3Dプリンターやレーザーカッターなど、最新のテクノロジーを使ったオリジナルプロダクトの製造や販売をしているヘソラボの西村 和宏さん。最先端の技術を使って作り出されたプロダクトや活動の拠点となっている竹田市についての想いを語る。

九州の真ん中で、
クリエイティブの新たな可能性を知る

子どもの頃、電気工事の仕事をしている父の影響で、配線や工具によく触れていました。その影響もあって、高校時代にはプロダクトのデザインに興味を持ち、「かっこいいプロダクトを作りたい!」と思うように。当時から余分な装飾のない、機能美を追求した物に惹かれていて、校舎の建て替えで処分される予定だった試験管やビーカーを譲り受けて部屋に飾っていたこともありました。国東市で高校卒業まで過ごし、大学は兵庫県神戸市の神戸芸術工科大学プロダクト・インテリアデザイン学科に進学。在学中にアップル社の革新的な端末である「iPhone」が発売されたこともあって、家電やヘッドフォン、携帯電話など、エレクトロニクス系のプロダクトを作りたいと思っていました。卒業後、上京しプロダクトデザイナーを目指して就職活動をしていたところに東日本大震災が起き、大分に戻ることに。

クリエイティブな仕事は都市部にしかないといわれていたこともあって、地元に戻ることは不安もあったんですが、国東市にあるプロダクトデザイン会社とご縁がありプロダクトデザイナーとして入社することになりました。就職先は段ボールを使った立体物を作っている会社で、海外のブランドとのコラボレーションも多く、「地方ではクリエイティブな仕事ができない」という、それまでのものづくりに対する価値観が大きく変わりました。商品に可能性や価値があれば場所は関係ないということはとても大きな気づきで、大分県の小さな町でも、世界に羽ばたくプロダクトを生み出す企業があることを誇りに思いました。

今まで平面だった世界が
立体になることで広がった未来

国東市で在籍していた会社は、「休日を1日増やすことで、自分の好きなことを見つけて取り組む時間を作って欲しい」という方針で、週休3日制を導入していました。そこでまだ発売されたばかりだった3Dプリンターを購入して、プロダクト制作をスタート。当時は日本の代理店がまだなかったので、海外の会社と直接やりとりをしたり、マニュアルも海外のコミュニティで共有されているものを翻訳したりと、購入に辿りつくまでのハードルが高くて、手元に届くまでの過程も楽しかったのを覚えています。

3Dプリンターを使うことで今まで平面だったものが立体になり、今まで表現できなかったことが形にできる楽しさを感じました。徐々にオリジナルのプロダクトを制作する時間が増え、これを自分の仕事にしてみたいという気持ちが強くなりました。独立してどうしたいという明確なプランがあったわけではないんですが、それと同じくらい独立に対する不安もなかったので、チャレンジしてみよう!と思って退職を決意。そのあとはフリーランスでデザインの仕事をしながら、オリジナルのプロダクト制作に没頭していました。そこから1年後に拠点を竹田市に移して、城下町があるエリアにオープンラボを開設。ものづくりを通して町の方々とコミュニケーションを取れる場所をつくりました。

現在はオープンラボがあった場所よりも山深いエリアに自宅兼工房を構えています。竹田市の魅力は、自然の豊かさですね。竹田市は昔から竹工芸が盛んな町で、城下町のお店には、今でも竹かごや帽子が売られています。「実際に使う人はいるのかな?」と疑問に思ったんですが、傘を購入して使ってみるととても便利なんです。自分たちの生活に必要なものを、地域にある資源を使って自分たちで作り、町の中で循環させている様子にとても感銘を受けました。静かな環境で仕事もしやすくて、この場所をとても気に入っています。僕がこの場所で頑張って、大都市じゃなくてもクリエイティブな仕事ができるんだということを、竹田市の子どもたちに見てもらいたいなと思っています。

最新のテクノロジーが
日本の伝統工芸を支える

竹田市に移住してから、トレンドにとらわれず、もともとこの場所にあるものをデザインのソースにしたいという想いが生まれました。木の形や葉っぱの模様を見て、その法則を何かに生かしたいと思ったり、岡城の石垣もなんでこんな積み方を思いついたんだろうと考えたり、竹田市の中にアイデアのヒントがたくさん落ちているんです。自然のなかに身を置いていると、何かひらめくことが多いので、仕事のオンとオフの境界線をあえてあいまいにしています。デスクワークをする日は特にユニフォームはないんですが、工房に入って3Dプリンターを使うときや木を切ったりするときはエプロンをつけて作業しています。それが唯一のスイッチかもしれないですね。

これからもこの場所で自然に囲まれながら、アナログとデジタルを融合したプロダクトを作りたいなと思っています。独立したての頃は、3Dプリンターの存在が知られていなかったので苦労することも多かったのですが、今は認知度も上がってきていて、いろいろな業界の方に見つけてもらえることが増えてきました。最近は、焼き物や陶磁器など伝統工芸のお手伝いをしていて、3Dプリンターを使って新たなデザインを作り出したり、既存のものを3Dプリンターでスキャンしてデータを残したりして、デジタル化することでより適した量産方法がないのかということを一緒に考えています。日本に昔からあるクラシックな分野と新しいテクノロジーを掛け合わせることに新たな可能性を強く感じています。これから先にどんな出会いがあるのか想像すると今からとても楽しみです。

ヘソラボのホームページはこちら→https://wires-products.com/





 

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