豊後服装lab.コラム

”遊びあるオシャレ”の背中を押すイベントと街づくり。

コラムイメージ

いつもより、少しだけオシャレで遊ぶための背中を押せるイベントへ

ー 昨年9月に初めて開催された「まちなかオシャレ月間」。昨年のイベント後のそれぞれ皆さんに届いた反響はいかがでしたか?

本山さん(株式会社JR大分シティ ※以下敬称略)
昨年初めて企画させていただいて、まずは最初ということもあって正直難しかったな、ということはさておき(笑)。大分の様々なエリアの店舗や企業さまなどが垣根を超えて一緒に参加するという大きな流れを作れたらという想いがあったのですが、ご賛同いただいた皆さまからはありがたいお言葉もたくさんいただけましたし、また今年もご一緒できるということで輪が広がっていますので、結果としてはひとつ種まきはできたのかなと思っています。

増田さん(株式会社トキハ ※以下敬称略)
大型店や百貨店と個人店とがタッグを組んで大分のファッションを楽しむという、わかりやすいけれどなかなか機会がなかったことにチャレンジすることができて、お客さまはもちろん、当店の従業員たちからも「楽しかった」という意見も多く聞くことができました。ぜひ一回で終わらずに継続したいと思っていたところなので、今年また開催ができることには、とても期待をしています。

西村さん(トスカンパニー ※以下敬称略)
五番街に関して言うと、目に見えた反響というのは正直まだまだかなという部分も。おそらく駅ビルや百貨店に比べるとイベント参加の認知度や発信力が弱かったのかなという反省も少々。今年も含めて今後も恒例のファッションイベントとして続いていく中で、五番街も存在感を出しながら認知度を向上していけたら、また違った楽しみ方ができるのかな、と感じています。

ー 今年は今後も継続していくイベントとして大事な二回目を迎えるわけですが、昨年とは違った何か新しい企画などは予定されていますか?

本山
今回は二回目ということもありますので、もっと多くの方に知っていただき、参加意識の高めていただける点を大事にしたいという想いがあります。具体的には今回からパンフレットを作りまして、ファッションに関する店舗さんや我々AMU PLAZAはもちろん、多業種の店舗さんやオフィスなどにも、幅広くパンフレットを設置配布させていただいたり、まちなかオシャレ月間のビジュアルを利用したPOPを街中や館内に設置するなど、「大分の街全体でイベントを楽しむ」という雰囲気づくりを心掛けています。
あとは昨年も行ったオフィスカジュアルDAYの浸透に向けて、ファッションの「提案」といったコアな部分についても、いろんな媒体を通してチャレンジしていきたいと思っています。

ー そのオフィスカジュアルDAYについてですが、大分のオフィスカジュアルに対する印象や、こういったイベントの楽しみ方には、どんなことがあると思いますか?

増田
そうですね、大分の女性はとてもオシャレな方も多いのですが、男性の方は控えめな方が多い印象です。たとえば、まちなかオシャレ月間を実施する9月はまだクールビズで通せる時期ですので、ノーネクタイにするだけでもカジュアルダウンできるのですが、イベントの趣旨としてはそれを「オシャレ」としてしまいたくはないです。もう一つ進んで、カフスをしてみるだとか、ラインのあるシャツに変えてみるとか、ワンポイントでいいので、せっかくのこの機会に何かひとつオシャレを意識していただければうれしいですね。そしてその取り組みがひとりでも多くの方に、特に男性の方にご参加いただければ、特別オシャレな街にならなくても、大分の街がいつもより少しだけ華やかになるような気がします。男性の皆さんには、恥ずかしがらずにファッションを楽しむ口実として今回のイベントを利用する、くらいに思ってほしいですね。

西村
オフィスで働く男性は皆さん、白シャツにグレーのパンツをついつい選びがちな方も多いかと思いますが、皆さん似た格好のように見えてしまって、”制服”のような印象を受けることも。いつも着ている白シャツをストライプやギンガムのシャツに変えてみたり、個性を出してみるのもいいんじゃないかと思います。もちろん平日だけじゃなくて、土日のオフコーデも同じように、最近だったらTシャツに短パンの方も多いですが、いつもシンプルにまとめるだけじゃなく、もっとファッションに皆さんそれぞれの個性を反映させる文化があってもいいのにな、と思います。華やかであればいいというわけでもないですが、ひとつ自分らしいものをプラスできれば。そういう意味では今回のイベントは、臆せずその個性を出していいことを、街をあげて背中を押す役割もあるかと思いますので、堂々と楽しむ機会になってくれたらと。ファッションアイテムは大分じゅうに溢れているので、今回のイベントでぜひアイテムや新しい自分やスタイルを”発見”していただきたいですね。

ー 男女問わず「大分のファッション」って、どんなファッションだと感じていますか?

西村
女性はコンサバですよね。控えめというわけではないですけど、女性の皆さんは全体的にきれいめなファッションを好んでいるような気がします。男性に関して言うと、以前パルコさんが大分にあった時の影響もあってか、モードっぽいファッションが多いのかなという気はします。時代の流行り廃りに関係なく、東京や他の都市ではさほどでも、モード系のアイテムは大分だと結構すぐに売れてしまうという傾向あるような。アメカジ全盛の時代とかでも、そんなに大分ではがっちりアメカジという人はなかなか見なかったですし、何かしら根付いているファッションの傾向ははっきりしていると思っています。

増田
メンズで言うと、少しはずしのない「真面目」なファッションの方が多いのかなという印象です。ジャケットひとつにしても、チェック柄のような模様があったり遊び心のあるものというものよりも、無地のスタンダードでスッキリ見えるものをチョイスされますね。逆に女性は世代に限らずファッションを楽しまれている方が最近は増えてきているのかなという印象があります。AMUさんや五番街、それに郊外のアウトレットもそうですが、ファッションアイテムを選ぶ選択肢が大分でも最近は大きく広がっているというのも要因のひとつかもしれませんね。

ー 最近ではインターネット通販もその存在感が増してきて、「地域性」とはまた違ったところで大分のファッション業界にも変化や影響与えているんじゃないかと感じています。その点で「実店舗」を展開される皆さんは、なにか変化や傾向を感じていることはありますか?

西村
人の流れという点でいうと、強がってもしかたないので正直に言うと五番街は全盛期と比較できないくらい減ってますよね。ただそれは今に始まったことではなくて、五番街はアーケードでもひとつの施設なわけでもないので、単純に雨が降れば格段に人が減りますし、ご飯食べてお洋服買って映画観てって丸一日を雨に濡れずにひとところで済むわけではないですから。ただ、昔からのなじみのお客さまは変わらず五番街に必ず来てくれますし、絶対的な母数は減ってますけど、若い層も同じように来てくれています。五番街に来る人たちというのは、ファッションアイテムを買うだけじゃなくて、あれこれとファッション談義を楽しんだりする人ばかりだと思います。私たちも「あ、このアイテムはきっとあの人が喜びそうだな。」と思うとご提案させてもらったりして、単純に「売る」「買う」というだけじゃないカルチャーを今も昔も変わらず真摯にやるのみというのは変わらないのかなと思っています。

増田
まず大分だけでみると、フォーラスさんがなくなってからというもの、アーケードから横断歩道を渡って府内町側に来るという流れは極端に減ったのかなというのは実感としてあります。ただまぁそれはすごく局地的な話で、大分はそもそも駅と商店街がとても近いという地理的にコンパクトに買い回りができるというメリットがありますので、その利点からいうと、横断歩道を渡らせることくらい他のエリアに比べれば厳しい課題というわけでもありません。ですので、集客という視点ではなく、私どももお客さまとのつながりやコミュニケーション、接客自体の質の向上など、まだまだ内側に目を向けて気を配り続けることが何より大事だと思います。それはプライスで主に判断しがちなネット通販には真似できない大きな強みだと思います。

ー 「何を買うのか」だけでなく「誰から買うか」という価値を与えることができることが、地域で展開する実店舗の強みなんでしょうね。

西村
間違いないと思いますよ。また、それを楽しんでくれる粋なお客さまがいるというのもありがたいことなので、私たちは外側に目を向けるよりは、まずそんなお客さま達を大切していくことを続けていくべきだと思います。

増田
そう、人間力ですね。商品力ももちろんですが、ご提案する側の人間力が今後はより試されるでしょうし、そこがお客さまとの大事な接点となりますので、販売力を競うという考え方ではなく、人間力でいかに魅力を感じていただけるかでしょうね。

本山
そういう意味では、売るだけではなくて、何かしらの体験も一緒にしていただくというのも実店舗の強みですね。たとえばワークショップなどを通して、テキストで得られるプライスや仕様だけでなくその商品の魅力を多面的に知ることができるのも実店舗にしかできないと思っています。そういう「提案」が今後はとても大事になってくるのでしょうね。

ー それこそ「まちなかオシャレ月間」が大分の皆さんの魅力を、多面的により多くのお客さまに伝えるイベントになるといいですね。

本山
ですね。先ほどのお話しにもありましたが、大分は駅と街がとても近いというメリットがあります。私たちとしてもそのメリットは多いに活用していきたいと思っていますし、駅と街とがそれぞれのメリットや強みを活かしながら大分全体のカルチャーを押し上げられれば、シンプルにチャネルの拡大にも繋がるのでは、と思っています。ただ、5年、10年先も私たちはここでお客様をお待ちするわけですから、決して「あぐらをかく」ことなく、お客さまとの接点やご提案の機会を増やす施策を、柔軟で新しい切り口で次々と考えながら実施し、提供し続けるということは使命だと思っています。その意味でも、まずは今この「まちなかオシャレ月間」というイベントがよい契機になればと思っています。

ー さて、みなさんの想いが詰まった「まちなかオシャレ月間」ですが、最後に、二回目に向けてみなさんの意気込みや想いを聞かせてください。

西村
私たち五番街は昨年はまだどこか”傍観者”に近かったというのが正直なところです。だから今年は何と言ってもきちんと知ってもらうこと、情報発信力の向上を目指したいですね。何よりせっかくのイベントですから”お祭り”にちゃんと乗っかって、まずは発信者として主体的にイベントを楽しめたらと思っています。五番街の組合もちょうど世代交代の最中で、新しい考え方や新しい風が吹いていますので、「何かやってやろう!」という前向きな意気込みは強くなっていると思います。

増田
ファッションというのはどうも敷居が決して低くないといいますか、カジュアルに遊ぶということを敬遠される人が多いのも事実ではありますが、大分の街じゅうに共通ビジュアルのポスターやパンフレットが溢れて、多くの人がそれを目にする一ヶ月になると思いますので、その機会を”免罪符”に、少しだけ、ワンポイントだけでも、いつもより遊び心を解放してあげてほしいなと思っています。

本山
今年は新しいことに何か一つひとつトライしていって、今後も続くイベントを”トライアンドエラー”で少しづつ向上していければと思っています。そういったチャレンジ精神というのが私たちの強みだとも思っていますので、大分のみなさんの輪の中での私たちの役割を理解して、次に繋がるトライを惜しみなく企画して積極的に実施していきたいです。「まちなかオシャレ月間」はAMUでも様々なイベントを企画していますので、ぜひ皆さんに足を運んでいただき、楽しんでいただきたいです。

INFO.

9/1[土]〜9/30[日]
まちなかオシャレ月間

2017年9月よりスタートした「まちなかオシャレ月間」は、大分市内にある様々なショップや商業施設、百貨店などが協力し、“ファッション”をテーマとした多種多彩なイベントやキャンペーンを同時多発的に行うという30日間限定での取り組みとなっています。

撮影協力

本山 治樹/西村 光平/増田 秀樹/波田 龍司 HARUKI MOTOYAMA/KOHEI NISHIMURA/HIDEKI MASUDA/RYUJI HADA

(左から)
[株式会社JR大分シティ 営業部]
担当部長 本山 治樹さん

[TOSS CAMPANY]
取締役 西村 光平さん

[株式会社トキハ 本店業務部]
課長 増田 秀樹さん

[豊後服装lab.編集部]
波田 龍司